高卒認定は就職に有利?
制度上は大検時代よりも有利
ほかのページでも説明している通り、高卒認定試験の前身は大検と呼ばれるものでした。
これは大学入学資格検定の略で、その名の通り大学への進学というステップに重きが置かれ、就職にはあまり役に立つものではありませんでした。
平成17年度から高卒認定試験へ変更されるとともに、文部科学省は企業等に対して高卒認定試験合格者を高校卒業と同様に扱うようにという働きかけを強めるようになりました。
その結果、民間企業の多くが高卒対象の求人に高認合格者が応募することを認めはじめたのです。
実際の採用は甘くない
国が働きかけることによって、門戸が開かれたのは確かです。
しかし、実際に就職に結びついているかというと、そうではありません。
面接は受けられるようになっても、高校卒業資格を持つ人達と比べられたとき、企業側は高校を卒業した人のほうを優先し、落とされてしまうことが多々あります。
それは一体なぜなのでしょう?
企業が採用をするとき、学力だけを採用基準にすることはありません。
それよりも、周囲との協調性があることや、すぐに仕事を投げ出さずにやり切る精神的強さを持っているかということが重視されます。
大学や大学院を卒業した人の場合は学力や専門的能力のほうが重視されることもありますが、高卒採用の場合、人柄の面を特に重視することが多いのです。
採用担当者は高校中退を経て高卒認定試験に受かった人を見ると、次のような疑念が湧いてしまいます。
まずは「高校をやめてしまったように会社もすぐにやめてしまうのではないか?」という疑念です。
また、「集団生活が苦手な人材なのではないか」という疑念を持たれてしまうことも多々あります。
いくら制度上で有利になったとはいえ、高卒認定合格者に対するネガティブな目線はまだまだあると言わざるを得ません。
確実に就職を目指すのなら進学か資格取得を目指そう
では、高卒認定合格者がスムーズに就職するにはどうすればいいのでしょうか?
一番確実なのは大学や専門学校へ進学することです。
仮に人間関係やメンタル面で過去に何らかの問題があったとしても、その後高卒認定を取得した上で進学をしてきちんと卒業できたのであれば、ネガティブな要素は克服したと判断されるでしょう。
面接でも「自分はどのように過去を克服したのか」というアピールもしやすくなり、場合によってはストレートで大学を卒業した人よりも有利になることさえあります。
また、資格を取得するのもよい方法です。
高卒認定を取れば「幼稚園教員資格認定試験」や「林業普及指導員資格試験」など、本来高校卒業資格がなければチャレンジできない資格に合格すれば、就職への道が大きく拓けてくることでしょう。